⛄こんにちは、はるなです。
今回は、ごりゅごさんの「意外と知られていないApple標準のメールアプリ」についてです。
少し前の印象だと、何もできないメールアプリといった感じでしたが、OSのアップデートに伴い、色々とできることが増えています。
📬 Apple標準メールアプリ
(めっちゃ少数派だという自覚はあるんですが)2024年からApple標準のメールアプリをメインのメールアプリとして使うようになりました。
おそらくこの記事をご覧いただいている方の多くはGmailを利用されているはずで、Apple標準のメールアプリを使われている方はまあ少数派でしょう。
自分自身、けっこう多くのApple標準アプリを使っている自覚はあるんですが、まさか(特になんの優れた点もないように見える)Appleのメールアプリまで使うようになるとは想像していませんでした。
今回は、そんな風に思っていたメールアプリをなぜ使うようになったのか。
また、使ってみてわかった、標準メールアプリのいいことろ。そのあたりのことをまとめてみたいと思います。
🔑 Gmailの脱却を考えた時に手軽だったのがAppleのメール
今や世間では個人のメール=Gmailと言ってしまっても差し支えないくらいにGmailは普及しています。
ごりゅごもつい最近までは当たり前のようにGmailを使っていたんですが「このままGmailを使い続けてもいいんだろうか」という疑いを抱くきっかけとなる出来事がありました。
そのきっかけは、直接Gmailというサービスと関連するものではない、同じGoogleが運営するGoogle Photoというサービスでした。
かつてGoogle Photoは「一定以下のサイズの写真は何枚だろうが無制限にいくらでも保存できます!」ということをウリにしてユーザーを集めていました。
ちょうどその時期は子供が小さかったこともあり、ごりゅごはせっせと子供の写真を集めては、喜び勇んでGoogle Photoに写真を預けておりました。
なんてったって、Google Photoなら何枚写真を保存しても無料。数万枚でも、数十万枚でも、どれだけ保存しようがそれをタダで全部残しておけるわけです。かけがえのない人生のワンシーンがいくらでも残しておけるならば、それを使わないのはむしろ損である、くらいの感覚もあったかもしれません。
ですが、そんな楽園は唐突に終わりを迎えます。
2020年11月11日に無制限の撤廃が発表され、2021年6月1日以降に保存された写真は無制限の対象外となり、Googleアカウントの無料保存容量(15GB)を超えた場合には有料でストレージを購入しなければならないようになったのです。
もちろん当時から「無料で無制限」なんてものがいつまでも続くわけではない、ということは頭ではわかっていました。Googleが「無料で無制限」に写真を保存させているのは「たくさんの学習用データが欲しい」ことだったり「もっと使ってGoogleから離れられなくしさせたい」というのが理由だとは考えていました。そして、それが理由である限り、無料の楽園は無限に続くわけではない、ということも……
ただ、頭でそれはわかっていても、現実に「もう無制限やめます」と言われた時には、なにか大きなショックを感じました。結局、頭でわかっているつもりでも、都合の悪い未来というのは無意識に見ないようにしていたのかもしれません。
救いだったのは、元々iCloudの有料プランを契約していたので、Google Photoはあくまでも「バックアップ」でしかかなかった、ということ。(ちなみに、無制限を謳っていたころのGoogle Photoは、Google Photoにバックアップが終わったらローカルの写真を消してしまうことを推奨し、アプリの機能としてもそれが搭載されていた)
なので、現実的にはこれがものすごく困ったことだったか、というとそうではありません。が、これは自分の中で1つの時代の終わりの象徴のような出来事でした。
これまでずっとインターネットの「無料バブル」の時代だったけど、これから安定してきちんとサービスを使っていくためにはお金を払うしかないんだな、というのが実感として非常に大きくなっていきました。
と同時に、ここで自分が「主力のメールアドレス」としているGmailにも危機感を覚えてしまったのです。
今どき人とメールでやり取りすることなんて少ないし、メールアドレスなんて大して重要ではない。そんな風に考えていたんですが、実はメアドってスマートフォンのSMS的なポジションを占めているような存在です。パスワードを忘れたりしたときも「確認」に使うのはメールアドレスだし、そもそもなにかウェブ系のサービスを使い始める時には、ほぼ必ずメールアドレスが必要なのです。
そういう、インターネットを使う上で核になるとも言える重要な機能を、無料バブルが終わったこれからも、安心して使い続けられるのだろうか?
そんなことを当時思い立ち、メールに関することを1年くらい試行錯誤しました。
「整理しなくても検索すればいい」というGmailの主張をひっくり返し、不要なメールマガジンはことごとく解除する、という「入ってくるメールの整理」だったり、そもそもなにか他のメールサービスを使う手段はないだろうかと色々なものを探してみたり。
📧 Appleのメアドがあった
その時にふと思い出したのが「Apple ID」でした。
そう言えば、Apple IDを作ると、勝手にメアドをくれるよね。そして、このメアドも普通に「メール」に使えるものだよね。Gmailから脱却するんだったら、このアドレスとかも使ってもいいかもしれないよね。
なんていうか、Gmailというものがあまりにも「あたりまえ」になりすぎていて忘れていたんですが、AppleID作成時にもらえるメアドも普段使いできるものなのです。
もちろんこれはこれで、今度はGoogleではなくAppleに自分自身の首根っこすべてを抑えられることになってしまうというのは変わりません。
ただ、自分の場合とにかく「もう無料のGoogleサービスは安心して使えない」ので、これをなんとかしたい、というのが最優先。
結局、無料のサービスはどこかで必ず代価を払っている。そうでなければその会社は成り立たない。そういう、ある意味資本主義の世界では当たり前なことを改めて思い出し、自分にとって重要だと思うことはきちんとお金を払って「安心」を買わねばならない、と考えるようになったのでした。
🌐 自分のドメインを使う
そうやって色々考えて、最終的に行き着いたのが「自分の所有するドメインを使って」「Appleのメールアプリを使う」という状態です。(そして、使うアプリはApple標準の「メール」アプリ)
どういうことなのか。
ここが実はApple標準のメールアプリを使うことと深く関わってきます。
これまたあんまり知られていないのかもしれませんが、AppleにはiCloud+という名前のiCloud有料プラン加入者だけが使える特別機能が存在しています。
iCloud+で使えるようになる機能は「プライベートリレー(プライバシー保護の強化)」「メールを非公開」「カスタムメールドメイン」「HomeKitセキュアビデオ」「家族で共有(みんなの保存容量が増える)」の5つ。
この中でも、メールを非公開とカスタムメールドメインというのは意外に知られていない便利機能で、これを使おうとするとApple標準メールが一気にメインのメールソフトとして候補に上がってくるものでもあります。
まず、カスタムメールドメインについて。これは「ドメインを所有してたら、難しい設定をしなくても自分のドメインのメールが作れるよ」というサービスです。
ごりゅごは「goryugo.com」のドメインを年間2000円くらい払って所持し続けているんですが、このお金を払って得られるのはあくまでも「ドメインを使う権利」だけ。
実際にこのドメインを使ってホームページをつくったり、メールをやりとりしようとすると、自分でサーバーを用意して頑張るか、別途お金を払ってメールやホームページに使えるサーバーを借りる必要があります。
そこでこの「カスタムメールドメイン」の出番。この機能を使えば(最初にほんのちょっと設定は必要だけど)とにかく超簡単に自分のドメインを使ってメールのやりとりができるようになります。
しかも、このドメインのメールアドレスは自分だけでなく家族全員がそれぞれが3個ずつ設定可能。そしてこのアドレスの設定は、iPhoneの設定アプリから追加・編集ができるのです。
これによって、ある意味で最強に信頼度が高い「自分が持ってるドメイン」を、事実上の追加コストなしで簡単にメール用に使えるようになるわけです。
もちろんこれを使い続けるためにはiCloudにお金を払い続けないといけないんだけど、当分の間iCloudにお金は払うつもりだし、ドメインも持ち続けるつもり。なので感覚的には「無料でメアドをゲットしている」ような気分になれています。
そして、このアドレスを使ってメールでやりとりをしようと思うと、やっぱり手軽で便利なのはAppleのメールアプリ、ということになってくるわけです。
🛡️メールを非公開でスパムをほぼ完全にブロック
また、もう一つのiCloud+の機能「メールを非公開」というやつもとても優秀ですばらしいものです。
これは簡単に言うと「捨てアド」を何個でも無限につくれるというもの。
Gmailの場合、間にドットをつけるとか、+を付けるという捨てアド作りのテクニックがありますが、どれも人間が見たら本体のメールアドレスは簡単に分かるし、コンピュータープログラミングでオリジナルメールを判別することも難しくありません。
対して、iCloudのメールを非公開は、なんたら.かんたら.うんたら@icloud.com
みたいな感じの自分のメアドとなんの関連性もないアドレスが作られるため、ここからメインのアドレスを推測することは不可能。
iPhone,iPad,MacでSafariを使ってれば、メアドを入力する場面で「メールを非公開」が自動でうまく機能して、まるでいつものメアドを入力するかのように「捨てアド登録」が簡単にできてしまいます。
しばらくのちに「(スパムがうざいので)このメールはもう使わない」と思ったら、そのメアドを「使わない」という設定にすればオーケー。これだけでもうそのアドレス宛のメールが届くことはなくなります。
メールを非公開を使うと、独自のランダムなEメールアドレスを生成して、そこで受け取ったEメールをあなた個人の受信ボックスに自動で転送できます。そのアドレスから返信することもできます。だからウェブサイトでフォームに記入したりニュースレターを受信登録する時に、本物のEメールアドレスを共有する必要はありません。
これができるようになってからは、ウェブサービスなどで新しいアカウントを作る時などはほぼ全部新しいアドレスを作るのが当たり前になりました。(この機能も家族全員が使える)
もちろんこれもカスタムメールと同じくiCloudの課金をやめたら使えなくなってしまうという点には注意が必要ですが、だんだんとAppleに飼いならされて、最近は「プライバシーと利便性のためならこのくらいは必要経費」と自然に思えるようになってきています。
そして、この「メールを非公開」を簡単に便利に使おうとすると、結局めんどくさくないのがApple標準のメールアプリになってくるわけですよ。
🤔「アプリのよさ」ではなく「全体のよさ」や「信頼性」
結局、Appleのメールアプリを使うようになった理由って、このアプリの機能とか使いやすさ、というわけではなくて、もっと大きなレベルでの利便性や信頼性、といったものです。
まあ、一応細かな便利さで言うと「リマインダー機能」みたいな話だったり、メールで届いた認証番号などをメールを開かずに入力できるとか、そういう機能もあるんですが、正直どれも決定打になるようなすばらしさはありません。
結局、必要なメールは検索して見つければいい、と言われても、一定程度工夫していなければ、結局検索結果はゴミに紛れて見つけることに苦労します。
自分の場合、メールを便利に使うためには、ソフトがどうこうというよりも、そういったメールの整理、運用の仕方の工夫の方を工夫することの方がずっと重要なことでした。
ある意味で誰もが使うメールというツールであるからこそ、今一度「メールについて」考えてみる価値はあるのではないかと思います。
この記事が「個人がメールを使うならGmailが当たり前」という考え方から一歩引いた視点でメールについて考えるきっかけになれたら嬉しいです。
ということで今日は「意外と使っている人が少ないが、Apple標準のメールアプリも便利」というお話でした。
👠編集後記:
毎月1本、お互いのニュースレターへ寄稿し合っています。私の書いたObsidianの記事も「✉️ナレッジスタック」で配信されているので、よかったらそちらも読んでみてください。
私はSparkというメールアプリが気に入っているので、まだApple標準メールに完全移行はしていませんが、併用しています。
Apple Intelligenceが日本語対応して、メールアプリでもスマート返信や要約、翻訳などが簡単にできるようになったら、Apple標準メールアプリ1本にするかもしれません。
あ、でも「メールを非公開」機能は今でも便利なので使ってます。