🤖生成AIと相性がいいObsidian
Obsidianで実現する柔軟なAI活用
🌰こんにちは、はるなです。
ごりゅごさんの新連載「はじめてのObsidian」の第2回目です。
この連載は「Obsidianに興味はあるけれど、よくわからない人」に向けて、Obsidianとはどういうツールで、なにがよいのか。既存のノートアプリなどとなにが違うのか。どんなことに使ったら便利なのか。
そんなことをまとめる連載です。
Obsidianが生成AIと相性がいいのはなぜか?
前回はObsidianが「長期的な視点で見てメリットが大きい」という話をしました。
第2回となる今回は、前回予告した「生成AIと非常に相性がいい」という話について掘り下げてみたいと思います。
細かいことを言うと、Obsidianは生成AIと相性がいいという言い方は正確ではありません。
もう少し正確に表現するならば、Obsidianは「最近流行りつつあるローカルファイルを処理できるコマンドライン操作型の生成AIと共存しやすい」という言い方になります。
今度はこの言い方は複雑過ぎるので、もうちょっとかみ砕いたほうがいいですね。
簡単に言うと「ChatGPTを使うんだったら、Obsidianを使ってもNotionを使っても、他のノート系アプリを使っても、大きな違いはない。でも、Gemini CLIツール(Google製)とかClaude Codeを使うならObsidianがめっちゃ便利だよ」という感じです。
ではなぜそんなことが言えるのか。それは、前回でも話した「Obsidianがコンピューターの標準的なファイルをそのまま使っている」ということと大きく関係してきます。
ローカルファイルを直接処理できる生成AIの存在
まず、Gemini CLIやClaude Codeとはいったいどういうものか。
「見た目」の話で言うと「黒い画面で使う生成AI」なんですが、Gemini CLIやClaude Codeの本質は「自分のコンピューターにあるデータを直接読み書きできる」ということ。
基本的に、ChatGPTができることは「チャットのやり取り」です。ChatGPTは、人類の誰よりも広範な知識を持ち、必要に応じてWeb検索機能を使って最新情報を調べることができる(場合もある)。
しかし、あくまでもできることはそこまで。
ChatGPTは、世界中のあらゆる情報をよく知っているけど「あなたのこと」は全然知らない。(これまでのやり取りはある程度覚えているので、チャットを使っていれば、少しずつ情報は蓄積される)
対してGemini CLIは、コンピューターの中の指定したローカルフォルダやファイルを読み取ったり、生成したりすることができる。
つまり、わざわざGemini CLIに「わたしのこと」を教えなくても「ここに書いてある」とさえ伝えてあげれば、それだけで全部言いたいことが伝わるのです(もちろん、ファイル単独ではなく、フォルダを一括で指定することなどもできる。現時点では読み取れる量に上限があるが、今後は拡大していく見込み)。
そして、この特徴こそがObsidianを使うことの価値とつながってきます。
Obsidianを通じて作られるノートは、ほとんどのコンピューターで汎用的に読み書きが簡単なマークダウンファイルです。ということは、Obsidianで作ったノートというのは、こうしたローカルファイルが扱える生成AIは、これらのファイルを容易に解析し、活用することができる、というわけです。
もちろんこの手の生成AIは新しくファイルを作ることもできるので「過去1週間分のメモを集めて、読みやすい内容に書き換えて新しいノートを作る」なんてことも、原理的にはいくらでもできてしまう。
「AIを自由に選べる」ことに価値がある
もちろん、生成AI全盛期の現在は、大抵のノートアプリはこうした「AI機能」と呼べるものは付いています。
たとえばEvernoteにだってNotionにだって「AI機能」は存在します。
ただし、基本的にこれらのAIは「サービス側が用意した枠の中での用途」に限定されます。
自分で好きなAIを組み合わせて使えば、こうした制約から解き放たれ、自分が使いやすいツールを、自由に組み合わせて使える、ということがメリットです。
さらに重要なのは、コンピューターの汎用ファイルを使っていれば、こうしたAIツールを好きなタイミングで自由に乗り換えられる。これができることが大きいです。
生成AIはまだまだ黎明期で、正直これからどのサービスが伸びていくかは予測しきれません。
現在も競争は非常に激しく「半年前は最強」だったツールがあっけなく機能面で追い抜かされてしまったり、半年前には存在すらしていなかった新しいAIが一気に登場してくる、という可能性もあるかもしれません。
また、おそらく今後は「汎用的なAI」だけでなく「調べものが超得意なAI」だとか「翻訳が超得意なAI」「プログラミングが得意なAI」など、得意分野がわかれ、その中でもさらに細分化が進んでいく可能性も大いにあり得ます。
となると結局、少なくとも今後数年程度は「いろんなAIを使ってそれぞれの特徴を知っていること」こと自体が重要なスキルになるだろうし、そうやってAIを使い分けられることも「スキル」と呼べるものになっていくはず。
それを支える土台として、Obsidianというツールと、それを通じて作るノートが存在するのです。
生成AIの進化は驚くほど速いですが、その変化に流されないための方法もあります。
手元に残るノートを、自分の言葉で積み重ねていくこと。そして、それをAIとともに活かしていくこと。Obsidianは、そのための最も信頼できる土台のひとつです。
ということで今日は「Obsidianなら自分の好きなAIと一緒に使うことができて便利」というお話でした。
👠編集後記:
毎月1本、お互いのニュースレターへ寄稿し合っています。私の書いたObsidianの記事も「✉️ナレッジスタック」で配信されているので、よかったらそちらも読んでみてください。現在は毎月1本「生成AIと考える技術」という新しいシリーズで書いています。
私は、VS Codeというソフト内のターミナルを使ってGemini CLIを動かしています。
Obsidianのノートにフロントマターを書くときや、修正が必要なものも全てGemini CLIを使って作業しました。めちゃくちゃ便利です。
電子書籍制作の時も、大変お世話になりました。
Obsidian、Obsidian言っているけれど、「Obsidianの中に素材がいっぱいあって、そこにGemini CLIを組み合わせるとめっちゃ便利」というのが正確な表現ですね。




