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「考える」ためのObsidian(PKM)を作る方法

PKMの出発点は、まだ形にならない考えを外に出すこと

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goryugo
2月 27, 2026
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🌹こんにちは、はるなです。

今日は「考えるためにObsidianを使う方法」について紹介します。

Obsidianってなんだか難しそうと思っている人に、Obsidianを使うとこんな便利なことがあるよ、難しく考えなくてもデイリーノートだけ使えればOKだよという話をごりゅごさん視点でまとめてもらってきました。

ごりゅごさんの連載「はじめてのObsidian」第4回目は、デイリーノートの具体的な書き方です。

  • 🔭長期視点で考えるObsidian活用術

  • 🤖生成AIと相性がいいObsidian

  • 📔 デジタルノートに慣れる為にはデイリーノート「だけ」を使う

まずノートは、シンプルな状態から始めること。そして、具体的な方法として「デイリーノート」になんでも書くようにすること、という話まで進みました。

最近は「生成AIを活用してコンテンツを量産するんだ」みたいな流れも増えていますが一般的に、Obsidianは「PKM」に使う、みたいな言われ方をすることが多いです。

それなのになぜこの連載では「デイリーノート」の話をするのか。そのためには、まず「PKMとはなんなのか」ということから考えなければなりません。

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「PKM」するためには「考える」ことが必要

PKMとは、Personal Knowledge Managementの頭文字を組み合わせた用語で、個人が日々得る情報や知識を収集・整理・再利用しやすい形で管理する考え方を指します。

この概念自体は1990年代から研究や実践の文脈で使われてきましたが、一般的に広く知られるようになったのは、ブログやノートアプリ、クラウドサービスが普及した2010年代以降です。

特に2020年前後からは、知識を完成品としてではなく「育てていくもの」と捉える「デジタルガーデン」という考え方とあわせて注目され、ObsidianやNotionといったツールの広がりとともに、PKMという言葉も再び使われるようになりました。

「第2の脳」という言われ方をすることもありますが、私はこれは少し違うと考えています。

PKMは、脳の代わりになる道具ではありません。覚えることや考えることを外注するためのものでもない。

むしろPKMは、「考えるための土台」となるものです。頭の中だけで完結させようとすると曖昧になってしまう思考を、書き出し、並べ、関係づけることで、はじめて自分の考えとして扱えるようにする。そのための環境づくりだと捉えています。

となると、まず私たちに必要なのは「書いて考えること」ではないでしょうか。

いきなり整理しようとしなくていいし、うまくまとめようとする必要もありません。PKMの出発点は、「考えがまだ形になっていない状態」を、そのまま外に出すことです。

ここから、Obsidianの話につながっていきます。

Obsidianに興味を持っているなら、そして「長く使えるデジタルノート」という視点で考えるなら、まず身につけるべきなのは、Obsidianで書いて考えることです。

そのために提案したいのが、「デイリーノート」を使って、毎日「書く練習」をすることです。

デイリーノートは、整理するための場所ではありません。その日に考えたこと、気になったこと、うまく言葉にならない違和感を、そのまま置いておくための場所です。

テーマを決めなくていいし、結論もいりません。箇条書きでも、途中で止まっていてもかまわない。大切なのは、「考えが生まれた瞬間」を逃さず書くことです。

まずは毎日、少しだけ書く。

考えをうまく扱えるようになるための、いちばん確実な方法は、そこから始まります。

じゃあそこまでできたとして、その次は「具体的にデイリーノートになにを書けばいいのか?」という問題が持ち上がってきます。

なんでも書いていいと言われて、悩まずに「なんでも」書ける人はもうすでにノート作りの達人の領域に達しています。

多くの場合「自由」というのはとても難しいもので、なんでも書いていいと言われると、なにを書けばいいのか迷ってしまうものなのです。

結局、自分なりのノートの使い方は自分で見つけるしかない。

しかし、自分なりのノートの使い方を見つけるためには、自分なりにノートを使ってみるしかない。

この行き詰まりをどう解消するか。

絶対書ける「事実」を書く

私が提案するのは「確実にできること」から少しずつ使い方を拡張していく、ということです。

ノート作りに慣れていない人が困るのは、大抵の場合「そもそも何を書いたらいいのかがわからない」というもの。

そうすると、いつまでたっても「なにを書くか」だけで悩んでしまって、実際に「書いて練習する」ことができなくなってしまう。

こういう時はまず、ステップを小さくしていくことです。

まず目指すのは「毎日確実に書けること」を作って、1行2行でいいからデジタルノートを使って何かを「書く」ということを日常に組み込んでいくこと。

紙のノートになにかを書こうと思ったら、ペンを用意して、ノートを開かなければ書けません。

デジタルノートも、スマホやパソコンなどの端末を用意して、ノートアプリを開き、今日のノート(デイリーノート)を開かなければなにも書くことはできません。

だからまずは、とにかく「アプリを開く」ことを最初の目標にする。

とは言え、さすがに「ノートを開く」だけでは達成感を得ることは難しいので、なにか書くことは考えたいですよね。

そこでまずは「なにを書くか」を考える負担を限りなく減らし、確実に書けることを書いていく。

具体的にいうと3つ。「睡眠」「食事」「天気」について書くことです。

「昨日嬉しかったことを書きましょう」なんて言われてもなにも書けないかもしれない。しかし「昨日なにを食べたかを書きましょう」と言われれば、ほとんどの人はさほど苦労することなく「書く」ことができます。

昨日は何時に寝て、何時に起きたのか。朝になにを食べたのか。今日の天気はどうだったのか。感想を書くのは難しくても、事実ならば書ける。だからまずは事実から書きはじめる。

仮に徹夜したり、なにも食べなかった日があったとしても、それすらも「寝てない」「食べてない」という事実を記録できます。

もちろんこれら3つすべてのことを毎日書け、というわけではありません。自分にとって相性がいいもの、これならできそうだな、というものを、できる限り毎日書き残すことを目指していく。

そして、なにか書けることを思いついたら、自由になにかを書いてもいい。(もちろん、なにも書かなくてもまったく問題ない)

とにかくまずは「デイリーノートに書く」ということだけを目指していくのです。

事実から書き始めれば「続き」も書ける

実はこれらの項目というのは、一見ものすごく簡単なことのように見えて、工夫次第でどんどん考えを深めていくことができる「思考の素材」にもなります。

食べ物や天気の記録を残すだけであれば「牛丼」「晴れ」だけ書けばそれでオーケー。そして、書くことに慣れてきたならいくらでも「書く」ことができます。

なにを食べたのかという事実を書いていると、食べたものについての「感想」が自然に出てくることがあります。

こういうチャンスが現われたら、それを逃さずに感想も書いておく。

これは、食事だけでなく天気でも睡眠でも同じようなことが起こる可能性があります。

たとえばこんな感じ。

昨日の昼ごはんはいつもの牛丼。いつものレシピだけど、いつもよりも味が濃かったような気がする。もしかしたら醤油の分量を間違えたかもしれない。いや、煮込み時間が長くなりすぎて、煮詰まりすぎたことが原因かもしれない。よく考えて見れば、自分はこのくらいの濃い味の方が好みの感じがしたので、単純にもう少し醤油の量を増やしてみてもいいかもしれない。いや、でもそれは年齢を考えると濃い味というのはよくない。やっぱりいつも通りで作った方がいいかな。
昨日の天気は晴れ。晴れとは言っても、風が強く、気温のわりには非常に寒く感じた。さらに、夜になって太陽がなくなると、風が原因でいつもよりも寒く感じたくらい。天気予報を見て服装を考える、という方法を試すようになってうまくいったと考えていたが、気温を見るだけではうまくいかないということがわかった。

ここで大事なのは、「深い思考が自然に生まれる」ことではありません。

事実を書いていると、ときどき理由を考えたくなる瞬間が出てくる。毎回ではないし、必ず起こるわけでもない。でも、書いていなければ、その瞬間自体が生まれない。

デイリーノートに事実を書いていると、「なぜこう感じたんだろう」「前も同じことがあった気がする」といった、小さな引っかかりがたまに現れます。

それを拾えるかどうかは、才能ではなく「書いているかどうか」の違いです。
考えが続かなければ、そこで止めてしまって構わない。

今日は事実だけ、という日が続いても問題ありません。

PKMは、常に考え続けるための仕組みではなく、考えが生じたときに、それを受け止められる状態を作ることです。

だからまずは、確実に書ける事実を書く。思考が生まれたら少しだけ続ける。生まれなければ、それ以上無理に広げない。

その繰り返しが、結果的に「考えられるノート」を育てていきます。

ここまで書いてきたことは、特別な考え方でも、才能が必要な話でもありません。

「なにを書くか」で迷わず、まず事実を書く。考えが出てきたら少し続け、出てこなければそこで止める。そのための練習手順を、なるべく具体的に言語化してきたものです。

ただ、文章で読んで「わかる」ことと「できる」ようになることは違います。

結局のところ、こうしたことは「読む」だけでは不十分で、自分自身で手を動かして、少しずつ習慣化、身体化していくことが重要なのです。

この「書いて考える」という行為をスムーズに始めるための一つの実践的なやり方として、とにかくObsidianを使いはじめたい、という方に向けたものが「アトミックシンキングワークシート」です。

ここから先の練習方法などは、こちらをご覧ください。

Obsidianでアトミック・シンキングを実践するためのテンプレートを作りました - by goryugo

ということで今日は「「考える」ためのObsidianを作っていく」というお話でした。

👠編集後記:

毎月1本、お互いのニュースレターへ寄稿し合っています。私の書いたObsidianの記事も「✉️ナレッジスタック」で配信されているので、よかったらそちらも読んでみてください。現在は毎月1本「生成AIと考える技術」という新しいシリーズで書いています。

  • 生成AIと考える技術とは?

  • 生成AIを使って「思考」を深める方法

    • 問いの精度を上げる3つのプロンプトフレームワーク

  • 思考を磨く「削る」技術

    • 「削る技術」に必要な3つのポイントとプロンプト

  • 「組む技術」とは自分の考えを「整理して渡す」ための技術である

現在、私の手元にあるノートで、最古のものが2008年のノートですが、これより前からデイリーノート的なものを書いています。たぶん歴で言ったら20年以上になると思う。なので、デイリーノートが書けない悩みみたいなものはもう微塵もないわけなんですが、確かに最初の頃は事実ばかり(記録がメイン)なんです。

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2026年現在はどうなっているかというと、手書きで考えたいときはGoodnotesのデイリーページに。そして事実というよりは、頭の中で考えたことを書き出しているイメージに近いです。

ここから先は有料エリアです。

有料エリアでは、記事で紹介したデイリーノートの思想をさらに一歩進めて、私(はるな)が実際に運用している具体的なノート環境を紹介します。

  • Obsidianでの音声入力を活用した、手軽なデイリーページの記録方法

  • AI(Antigravity)を活用して、書いたメモからアドバイスをもらう仕組み

  • 自作ショートカットを使った、Obsidianノートの画像化とGoodnotesへの連携テクニック

ツールを単体で使うだけでなく、複数のアプリやAIを組み合わせて「自分にとって続けやすいデイリーノート環境」を構築するための実践的なヒントをまとめています。

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